順調に運営されているシェアハウスについて(オーナー様向け)

昨日の投稿ではシェアハウスが抱える問題点について書きました。確かに、賃貸アパート・マンションと比較すると、収益用不動産としては簡単に扱えない等、問題点が多くあります。しかし、常に満室かそれに近い状態であり、空室期間が短い等、収益物件としての運営状態は良好であるところが多くあります。

運営状況が良好なシェアハウスにおける共通点は、以下の通りです。

1.コンセプトを持たせ、設備を充実させることにより家賃収入を増やす
共通する興味を有する入居者を集めると、運営がスムーズにできるようです。どのような方に向けたシェアハウスなのかを明確にし、それに合わせた構造や設備を設けることにより、シェアハウスの賃料をその地域における賃貸アパート・マンションの家賃相場を上回る金額に設定することが出来ます。

例えば、大型バイクを趣味にしている方向けのシェアハウスでは、屋根付きの大型バイク用車庫を各部屋に併設し、メンテナンスや小さな修理をそこで行えるようにしているところがあります。

ダイビングやサーフィン等のマリンスポーツを趣味とする方向けのシェアハウスでは、各部屋にマリンスポーツ用機材を置ける専用スペースを設け、共用部に機材を洗うための洗い場やシャワー、広い物干し場等を設置しています。

料理好きの方に入居してもらうためのシェアハウスでは、キッチンスペースをを大きく取り、大型のシステムキッチンを設置し、冷蔵庫や電子レンジを数多く取り揃えています。さらに料理研究家等による料理教室を定期的に開催しているところがあります。

コンセプトを明確にし、必要な設備を充実させることにより、地域相場と同等か、それより高めの家賃を得ることが可能になります。さらに満室に近い状態を維持でき、仮に空室が生じても空室期間を短くすることを期待できます。

閉鎖に追い込まれるシェアハウスは、どのような入居者向けの物件なのかが不明確であり、家賃の安さだけを強調しているところが多いです。

2.小さなトラブルを見過ごさない
トラブルは、小さいうちに解決すれば完全に解消できることが多いです。他の入居者に関するクレームがあった際はうやむやにするのでは無く、事実関係をよく確認し、オーナーが自ら解決に当たることが必要です。

このため、管理会社に管理を委託している場合でも管理会社に任せきりにするのではなく、時々巡回して管理の状況を確認することが必要です。例えば、共用部に置いた私物がなくなるというクレームが続くようであれば、オーナーは現場を必ず視察し、自ら対策を考えることが重要です。

シェアハウスに入居する方の多くは若者です。トラブルが続いた場合、SNS等に投稿されて炎上することがあります。どこのシェアハウスにおける問題なのかがインターネット環境で明らかにされると収拾が付かなくなり、これが原因で入居者が一斉に退去することがあります。小さなトラブルでも要注意です。

3.掃除は外部の専門業者に委託する
共用スペースおよび浴室等の清掃を当番制にしているところがありますが、掃除をさぼる人がいるとか、人により掃除の仕方が雑である等から住人同士が対立することがあります。費用が発生しますが、清掃は外部の専門業者に委託し、この種の問題がなくなるようにするべきです。

清掃を外部に委託する費用を賄うためには地域相場より高めの家賃を得られるようにする必要があります。このためにはシェアハウスのコンセプトを明確にし、設備を充実させることが重要です。

4.シェアハウス内で、オーナー主催のパーティー等を開催する(コロナ終息後)
年1~2回程度で構わないのですが、オーナー主催の行事やパーティーを共用スペースで開催することにより、入居者との関係を良好にすることができます。オーナーと入居者との関係が良好になると、建物をだらしなく使用されることは自然と少なくなるようです。