賃貸物件の入居申込書と入居審査

賃貸物件をいくつか内見し、気に入った物件があった場合は、入居希望者は入居申込書を提出します。入居審査は、主にこの入居申込書と、入居申込書提出時に併せて提出する書類の記載内容に基づき行われます。

なお、入居審査の際には年収や書類に記載された内容だけではなく、後述する人柄などに関する情報も参考にします。

入居申込書に記載が必要な内容は以下の通りです。

入居希望者本人に関する情報
現住所(住民票がある住所)、氏名、性別、生年月日、電話番号、職業、年収、入居希望日
国籍は、要申告事項ではありません。

勤務先に関する情報
勤務先(会社)名、勤務先所在地、勤務先電話番号、業種、勤続年数
入居申込時には、以下の書類の提出が必要です。

身分および収入を証明する書類
入居予定者全員の住民票(発行後3か月以内、原紙)、契約者本人の身分証明書(運転免許証、住基カード、パスポート等の写真付きのもの一点)、契約者本人の源泉徴収票(収入証明)、在職証明書(従業員証のコピーで可の場合あり)
連帯保証人を立てる場合に必要になる情報、提出必要書類は以下の通りです。

連帯保証人に関する情報
連帯保証人の現住所(住民票がある住所)、氏名、性別、生年月日、電話番号、年収

連帯保証人が提出しなければならない書類
印鑑証明書(発行日から3か月以内の原紙)、連帯保証人の源泉徴収票(収入証明)、連帯保証人の身分証明書(運転免許証、住基カード、パスポート等の写真付きのもの一点)、連帯保証人引受承諾書(実印を押印)

令和2年4月に施行された改正民法により、連帯保証人を立てる際の要件が厳しくなっています。保証を履行してもらう際に負担してもらう金額の最大額(極度額、実務では2年分の賃料相当額)を告げ、公証人に公正証書を作成してもらう必要があります。

改正民法の施行後は、大半の方が連帯保証人の引き受けを断ることから、家賃保証会社による保証契約を締結することが一般的です。
家賃保証会社による保証契約を締結する場合に求められる情報と書類
保証会社によりやや異なりますが、入居申込書に記載する内容とほぼ同じです。身分および収入を証明する書類はコピーの提出が必要です。

オーナー又は管理会社が入居申込書以外に求める情報
1.契約条件に関する要望があった際は、その内容
家賃や敷金、礼金に対する値引き要求の有無、ペットの飼育を認めて欲しいなどの要望の有無
要望については、それを受け入れられるかについて判断します。

2.来店時および内見の際における会話の内容、人柄、応対態度
常識的な行動ができない方であると判断される場合は、不動産会社において入居申込書を受領しないことがあります(いわゆる門前払い)。

物件紹介または内見の際に高圧的な物言いをしたり、暴力的な言葉や暴言を吐いた場合が該当します。また、明らかに不潔な服装で来店された方は、部屋をだらしなく利用される可能性が高いので、入居不可となります。

収入が足りないとして入居不可と判断されるのはどのような場合か
年間の家賃(共益費などを含む)が年収の3分の1を超える場合は、明らかに収入が足りないと判断されます。
入居審査が厳しい物件では年収の4分の1を超える場合に収入不足と判断されます。

入居不可と判断されるのは、どのような場合か
入居申込書に虚偽の記載をした場合は入居不可と判断されます。

無職の場合は、入居不可となる可能性が高いです。

勤務地が賃貸物件の所在地から遠い場合には、なぜそのような遠い場所なのに入居を希望されるのかについて、理由を訊かれると思います。

就職先が決定している場合は、年収が確定していない場合でも、就職先の採用通知書の提出で足ります。

何らかの事情で無職であり、求職中の場合は前年の源泉徴収票(収入証明)、確定申告の写し、預金通帳の写しを提出すれば、入居申込書自体は受け取ってくれるかもしれません。しかし、オーナーや管理会社の判断で入居不可になることがあります。

入居希望者が明らかに反社会的勢力の一員であると認められる場合は、入居不可と判断されます。

日本語、英語のいずれも理解できない方は、重要事項説明ができないことから入居不可になることが多いです。ただし、賃借人側で通訳を確保できる場合を除きます。