未公開・非公開物件の購入は熟慮しないと大損をする

2024年4月16日

※2024年4月16日追記:この投稿は、いわゆる実需用物件(所有者自身の居住目的で購入する物件)における内容です。いわゆる収益用不動産(1棟マンション、1棟アパート、事業用ビル、大規模開発用地など)にはあてはまりません。

 土地・戸建住宅・マンションを探しているお客様から、「未公開の物件を紹介して欲しい」と頼まれることがあります。理由をお尋ねすると「ポータルサイトに掲載されている物件の中には気に入った物件がないから」と言われることが多いです。

 また、お客様の中には「私は非公開または未公開の物件でなければ購入しない。」と仰るお客様が時々いらっしゃいます。「良い物件は非公開または未公開の物件にしか存在しない」と記載しているWEBサイトや不動産の解説本が散見されます。このような情報を信じ切っている方が多いようです。

 不動産の売主が売却を不動産会社に依頼する場合、不動産会社と媒介契約を締結します。契約の種類は専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約のいずれかです。

 媒介契約を締結した不動産会社は販売活動を行いますが、レインズやポータルサイトに掲載することが一般的です。レインズとは不動産会社および金融機関のみが参照出来るポータルサイトです。一般の方が参照することはできません。一般の方が参照出来るポータルサイトとしてはat Home、SUUMO、Home’s 等があります。

 専属専任媒介契約を締結した不動産会社は、通常は契約日の翌日から5日以内に物件情報をレインズに掲載します。専任媒介契約の場合は翌日から7日以内に掲載します。一般媒介契約の場合は、レインズへの掲載は不動産会社の裁量に委ねられています。

 物件情報がポータルサイトに公開されると「公開物件」になります。レインズに掲載された場合も同様です。レインズに掲載され、ポータルサイトに掲載されていない物件がありますが、これらは「公開物件」です。「非公開物件」と思われている方がいらっしゃいますが、誤りです。

 未公開物件とはレインズ、ポータルサイト、不動産会社のWEBサイト、チラシのいずれにも掲載されていないものの、これらへの掲載が予定されている物件のことをいいます。

 非公開物件とは、レインズ、ポータルサイト、チラシのいずれも掲載されておらず、物件情報が公にされていない物件をいいます。一定の条件を満たす買主に限定して売却したいなどの理由があり、非公開とされています。多くの場合、売却に際し一般媒介契約が締結され、レインズには掲載されません。

買主様の観点から考える未公開物件の問題点

 最も大きな問題は、相場を無視した価格が付けられていることがよくあることです。

 不動産会社が物件の売却を依頼され場合、査定して相場をお伝えします。しかし、お客様の中には「査定結果には納得できない。その価格で売り出すなら媒介契約を解約する。」と言われる方がいらっしゃいます。

 売り出し開始時は売主様が強気であることが多く、相場を大きく上回る価格での売却を希望されることがあります。不動産会社の営業担当は「お客様の機嫌を損ねてはいけない」と考えがちです。すると、売主様の希望価格をそのまま物件価格として提示することがあります。

 不動産会社の営業担当は「何日経ってもこの価格では売れないことを納得してもらい、その後は相場まで価格を下げてもらおう。」と考えています。異様に高額な価格で売り出されたまま、放置されていることがあります。

 このような物件を「未公開だから良い物件に決まっている」として購入すると、財産上、多大な損失を被ることになります。

買主様の観点から考える非公開物件の問題点

 売買契約の特約において様々な制約が設けられ、思うような利用ができないことがあります。特約の内容は様々ですが、違反した場合は買い戻しに応じなければならない等の内容が売買契約書に設けられることがあります。

 例えば「建物に付随する広大な庭園の維持管理を最低20年行う。その間は庭園の現状を変更しない。」「土地を分割して売却しない。」「建物の取り壊しは最低30年行わない。」等です。特に文化人や芸術家、芸能人等の著名人が所有する邸宅を売却する際に、このような条件が付けられることがあります。

 売主様が法人の場合、物件を同業のライバル企業には売りたくないと考えることがあります。このような場合も物件を非公開にし、同業のライバル企業以外の買主様を探すことがあります。

 非公開物件を購入する際は、買主様において多大な負担になる販売条件を付けられることがあるので要注意です。