中古戸建住宅、リフォーム済物件に人気がある理由

 戸建住宅には新築の戸建住宅(建売住宅および注文住宅)、および中古戸建住宅があります。中古戸建住宅には不動産会社がリフォームやリノベーションを行った物件、およびリフォームせずに売却される物件があります。

 リフォームされずに売却される中古戸建住宅は、内部が綺麗で設備がほぼ正常に稼働します。不動産業とは無縁の個人が売主である物件が多いです。

 クロスが剥がれ、壁や床に凹凸があり、キッチン等の水回りが荒れている物件は、東京・横浜などの大都市ではあまり人気がありません。このため、大都市で売り出される中古戸建住宅の大半は不動産業者がリフォームまたはリノベーションを行います。そして不動産業者が売主として販売されます。

 日本の中古戸建住宅ですが、リフォームまたはリノベーション未了で売られている物件にはあまり人気がありません。この点は米国やヨーロッパと異なります。

 何故このような違いがあるかですが、一般論として日本人は新しい物を好む傾向があるからであると言われています。この見解は正しいと思います。

 さらに、リフォームおよびリノベーションには住宅ローンが適用されないからであると考えられます。リフォームまたはリノベーションの費用に住宅ローンで借り入れた金額を充当することは認められません。リフォームまたはリノベーションを行う費用を借り入れる場合は、住宅ローンとは別にリフォームローンを組む必要があります。リフォームローンは住宅ローンよりも利率が高く、返済期間が短いことが一般的です。

 内部が綺麗で設備が正常に稼働し、そのまま居住して差し支えない物件でも、リフォームまたはリノベーションをしたくなる箇所は必ずあります。キッチンユニットやトイレの便器、バスタブ、洗面化粧台等は交換したくなるアイテムです。エアコンも設置から10年以上を経過していれば新品に換えたくなる方が多いと思います。

 リフォームローンを組むと、返済期間が短いことから毎月の返済額が増える上に利率も高くなります。このため、住宅ローンを利用する場合はリフォーム・リノベーション済の中古物件、または新築物件の購入が有利になることが多いです。

 このこともリフォームまたはリノベーション未了で売られている中古戸建住宅にあまり人気がない理由であると考えられます。