豪雪地帯の1棟マンション購入は要注意

※相談事例です。プライバシーの関係で、実際の相談内容を多少アレンジしています。

 北海道内に収益用不動産(1棟もののマンション)を所有するオーナー様からの相談です。

 東京都内や横浜市内の物件における利回りは著しく低いです。このため、このオーナー様は「郊外でも良いので利回りの良好な物件を探したい」ということで、都内のある不動産会社(筆者の会社ではありません)に物件の紹介を依頼しました。

 約1か月後、北海道にある満室時想定の表面利回りが約25%に達する築浅かつ駐車場付きのやや大きい1棟マンションを紹介されました。間取りは単身者向けの1Kおよびファミリー向け3LDK等が混在し、部屋数は30室です。うち25室が入居中とのことで、5室が空室でした。現状でも表面利回りは20%を超えます。

 物件を内覧したところ、建物の外壁、共用部、空室の室内における問題は見つからなかったので直ちに購入したとのことです。

 春から夏までは何の問題もなく、利回りも良好でお買い得感が強く満足していたとのことです。ところが、秋になり状況が一変したとのことです。

 最初に除雪に関する問題が生じました。除雪を管理会社にお願いしたところ、都内では考えられないほどの高額な出張費および作業費を請求されたとのことです。管理会社と現地との間が遠く、ガソリン代がかかる上に作業者の労務時間が長くなるからとのことでした。

 さらにマンションの駐車場および前面道路の融雪装置を稼働させる必要があり、莫大な燃料費が発生しました。融雪のために高額な燃料費が発生することは想定していなかったとのことです。

 満室時の想定表面利回りがかなり高いものの、冬季における維持費のために大赤字であり、年間では「マイナス収支」とのことでした。

 相談内容は「売却したい。購入時の価格で買い取ってもらえないか。」というものです。

 申し訳ないのですが、筆者はお断りするしかありませんでした。この物件は、満室になっても年間収支はマイナスです。売却する際の価格は購入金額を大きく下回り、損切りをする必要があります。

 北海道に限らず、豪雪地帯の収益用不動産を購入する際は年間の収支、特に物件の維持費に注意する必要があります。年間の除雪費、駐車場や前面道路の融雪に関する費用をあらかじめ調べておく必要があります。

 これらの費用に関する説明がない場合、その物件の購入は避けるべきです。

 また、表面利回りが高くても、維持費が高額であるために実質利回りが極めて低い物件や年間収支がマイナスになる物件があるので要注意です。