不動産店および不動産会社が内部を覗きにくい構造にしている理由

この二日ほど、長文による解説をしました。今日は閑話休題と言える話題を取り上げ、短く書きます。

不動産店や不動産会社の内部を覗きにくいことについてですが、多くの方にとっては「言われてみれば、そうだよね。」という感覚ではないかと思います。どこでも外部から内部を覗きにくい構造になっています。

ちなみに私の会社は建物の2階にあり、前面道路から内部を見ることは不可能です。お客様との面談には応接室を利用しますが、外部から応接室を覗くことはできない構造にしています。

玄関を入ってすぐの場所に、2~3名が座れる程度のテーブル及び椅子を配置しています。同業者やリフォーム会社の営業担当などが来店した際には、こちらのテーブルと椅子とで応対します。お客様のお話をうかがう場合でも、内緒にする必要がない場合には、こちらで対応することがあります。

私の会社では応接室を店の奥に設けています。売買または売買仲介を行う不動産会社では、応接室は必須です。不動産売買については様々な相談を受けます。権利関係が複雑すぎるとか、境界の位置があいまいである等の理由により解決方法を直ちに見つけられない場合が多くあり、相談が長時間になることがあります。

テーブル上には何枚もの図面や登記に関する資料を広げ、落ち着いた場所でアタマをフル回転させながら、誰にも邪魔されることがない環境で問題を整理し、解決方法を検討する必要があります。その間は、応接室に誰も入ってきて欲しくありません。

自分の住まいを内緒で売却したいお客様が来店されることがあります。お客様からの相談を受けている際に近所の方が来店し、先に来店されているお客様をご覧になられたら大変です。内緒の売却を希望されるお客様には大迷惑です。

恐れるのは、近所の間で「○○さんが△△不動産にいたけれど、自分の家を売るのかもしれない。」などの噂が生じ、邪推されてあちこちに言いふらされることです。これは絶対にあってはならないことです。

事務室内には登記簿謄本や契約書の下書き、過去に締結した不動産取引に関する契約書が多くあります。個人情報が集積されていますので、内部を覗かれたら大変なことになります。

よって、事務室も応接室も秘密情報の塊ということになります。
これがどこの不動産店、不動産会社でも内部を覗きにくくしている理由です。