管理を激安で引き受ける管理会社がありますが...

 昨日の投稿に書きましたが、私の会社がある東京都目黒区において賃貸アパート・マンションの管理を全て行ってもらう場合の費用は6~10%前後が相場であるところ、管理項目を取捨選択することにより管理費用を4.5~6%として管理を請け負う管理会社が多いことを書きました。

 ところが、 「管理費用を家賃の1.5%に設定している会社がある。お宅の会社では1~1.2%程度で行ってくれることはないのか」等の問合せがあります。

 管理を激安で引き受ける会社がありますが多くは不動産会社であり、空室時における入居者募集を専任媒介契約、または専属専任媒介契約を締結した上で依頼することを条件として激安で引き受けています。

 賃貸物件の場合、オーナー様から入居者募集の依頼があっても、専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結していなければ仲介手数料を得られる保証はありません。管理を引き受けることにより発生する費用は、 専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結することにより必ず得られる仲介手数料と相殺しているものと考えられます。そのようにして管理費用を家賃の1.5%に設定しているものと思われます。ただし、多くの物件において、収支はほぼ均衡しているのではないかと考えています。

 入居者の募集に際し、専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結してもらえないのであれば、 管理費用を家賃の1.5%以下に設定すると、大きな採算割れになるので無理です。このため私の会社では、 オーナー様が管理費用を家賃の1.5%程度に設定することを希望されても丁重にお断りさせていただいています。

 ちなみに、管理費用を家賃の1.5%に設定している会社に管理を依頼したことによる相談を受けたことがあります。物件の見回りや建物の点検を定期的に行う旨を約束しているのに担当者が何ヶ月も訪問しないとか、入居者が管理会社に設備の故障を訴えても修理業者の手配をしないで放置する、月次報告を作成してくれないといった内容が多いです。

 これらの問題があるとしても、所詮は安かろう悪かろうということで仕方ないかもしれません。管理をしっかり行ってくれないことを改善したいのであれば、管理費用が相場通りになることは甘受し、しっかりした管理をしてくれる管理会社に変えることをお勧めします。

 管理費用を激安に設定している会社の多くは、管理戸数を増やすことを目的として管理費用の低減に走っています。入居者募集を専任媒介または専属専任媒介にて行うことを認めてもらうことにより仲介手数料を必ず得られるからです。その他にもオーナー様との繋がりを設けておけば他の仕事をもらえる、他の収益用不動産の管理を委託してくれる等の算段をしています。