太陽光発電所における電線盗難事件がまた発生

 郊外における山林を切り開き、太陽電池パネルを多数置いて発電する事業が新たな投資先としてもてはやされました。私の会社にも、太陽光発電パネルを置ける広大な土地に関する引き合いが多数ありました。

 電力の買い取り単価が下げられたことから購入希望者は少なくなりました。しかし、現在でもパネルを置ける郊外の土地に関する問合せがあります。また 太陽光発電所の中古案件に対する引き合いもあります。

 太陽光発電所は郊外や山間部にあり、通常は無人で操業しています。人目に付かない場所で稼働していることから、夜間に電線が盗まれる事件が時々発生しています。

 今回は、太陽光発電設備に利用されている導線が大量に盗まれる事件が埼玉県で発生しました。今回の事件では盗まれた電線の量がかなり多いことから、窃盗団による犯行が疑われます。

Yahoo! Japanのニュース記事(TBS-NEWS、JNN)から引用します。
※掲載社の都合により元記事が削除され、リンクが切れることがあります。

埼玉県で銅線1040万円相当盗まれる
7/12(月) 21:35配信 TBS系(JNN)

 埼玉県深谷市の太陽光発電設備から1040万円相当の銅線が盗まれているのが見つかりました。
 10日、埼玉県深谷市にある太陽光発電設備を見回っていた関係者が、太陽光パネルにつながっていた銅線が盗まれているのを見つけました。
 警察によりますと、盗まれた銅線はあわせて1200メートル、重さは4トン以上で、1040万円相当だということです。警察は窃盗事件として捜査しています。

TBS系(JNN)

 重さ4トン以上の銅線を盗む行為は、単独では出来ません。いわゆる窃盗団による犯行で、計画的に行ったとしか思えません。4トンの電線は軽トラックでは運搬できないので、クレーンまたはリフト付きの大型トラックを手配して行った可能性があります。

 投資にはリスクが伴いますが、太陽光発電所は人目に付かない場所に設置されることが多いので、夜間に狙われたらひとたまりもありません。

 窃盗事犯に対抗できる手段は限られています。防犯カメラの設置や周囲への柵の設置が考えられますが、防犯カメラは犯行の際に壊される恐れがあります。また、広い発電所の周囲に高い柵を設置するには高額の費用を要します。

 電気柵を設け、高圧電流を流すことが考えられますが、近隣住民が接触して死傷した場合には損害賠償責任が発生します。動物による食害を防ぐために畑の周囲に電気柵を設けて高圧電流を流していたところ、近隣住民が接触し、死亡した事故が発生したことがあります。この事故では、電気柵を設置した農家の主人が自殺しています。防犯のためであっても、電気柵の設置は危険です。

 こうなると、窃盗被害を完全に防ぐ手だてはないかもしれません。太陽光発電にはこのようなリスクもあることを改めて認識した次第です。投資する際には高利回りで運用できる場所を探すしかないと思います。