賃貸物件、入居者を募集する際に必ず確認するべき内容

 賃貸物件の入居者が退去した場合、敷金の清算やリフォームを行います。併行して不動産会社に入居者募集を依頼しますが注意点があります。管理を不動産会社に依頼している場合はその不動産会社に募集を依頼しますが、この場合も該当します。

 重要なのは物件の募集開始をなるべく早く行ってもらうことです。そのためには以下の内容に注意することをお勧めします。

※本日の投稿では筆者の会社がある東京都目黒区およびその周辺に適用される内容を記載しています。他のエリアでは異なる運用が行われていることがあります。予め御了承願います。

①媒介契約書の締結を求められたら諸事項を記入して署名する

 媒介契約を締結する場合、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介のいずれかを選択していただきます。その際に、「媒介契約書。そのようなものはどうでも良い。次の入居者を早く決めてくれればいいのだから、書類にサインする必要はない。」と言われる方がいらっしゃいますが、これでは不動産会社のやる気を削ぎます。

 媒介契約書の締結を拒まれた場合、コンプライアンスに厳しい不動産会社では入居者募集を引き受けないことがあります。入居申込書の提出後に「入居者の募集を依頼した憶えはない。仲介手数料を支払う義務はない。」等と言われると不動産会社は困ります。

②媒介契約を専属専任媒介契約又は専任媒介契約にする

 専属専任媒介や専任媒介の場合はオーナー様からの仲介手数料が入ります。しかし、一般媒介では他の不動産会社が成約することがあります。従って一般媒介では広告費をかけられず、宣伝の頻度が落ちます。ポータルサイトへの掲載、不動産業者向けの紙媒体への掲載の頻度が下がります。

 繁忙期になると、賃貸専門の不動産会社に多数の物件情報が集まります。物件資料を次から次に作成し、インターネット上に掲載する作業を行います。一般媒介の物件は、物件資料の作成がどうしても後回しにされ、情報の公開が遅くなる傾向があります。

 一般媒介にして数多くの不動産会社に依頼すれば早く決まるとお考えになる方がいらっしゃいます。しかし、この考えは物件の主な紹介方法がインターネットになる前の話です。

 一般媒介にすると、依頼された多くの不動産会社がポータルサイトに同じ物件に関する情報を数多く掲載します。すると物件探しをしている方から「何らかの問題がある物件なので広告を数多く掲載している」と誤解されます。このことは入居者がなかなか決まらない原因になります。

③インターネットへの掲載を確認する

 入居者募集を依頼して数日したらポータルサイト等に物件情報が掲載されているかを必ず確認します。入居者募集を依頼した際に、どのWEBサイトに掲載されるかを告げられるのが通常です。掲載されないと、不動産会社の店舗を訪問したお客様のみに紹介することになるので入居者が決まるのが遅くなります。

 今時ネット掲載を拒む会社には入居者の募集を依頼しないことが賢明です。

④レインズへの掲載を確認する(専属専任媒介または専任媒介)

 専属専任媒介または専任媒介の場合は、法令によりレインズへの掲載が義務づけられています。専属専任媒介は5日以内、専任媒介は7日以内(当日および休業日を除く)に掲載しなければならないとされています。掲載されないと、他の不動産会社からの客付けが行われなくなることにつながります。すると次の入居者が決定するのが遅れます。

 レインズに登録された場合、登録証明書が発行されます。不動産会社に請求すれば発行してもらえるはずです。

⑤お部屋の間取り図を提供する

 入居者を募集する際の図面には貸し室の間取り図を掲載することは必須とされています。この間取り図の作成が最も時間を要します。大まかでも構わないのでオーナー様から間取り図を提供することにより、入居者募集を早く始められます。