「猫リノベ」により賃貸マンションの満室に成功

ORICONニュースから引用します。

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「空室だらけの賃貸マンションが満室に」猫リノベした“猫部屋”が話題、1Kで“3匹飼育可”の希少物件も
2023-03-04 15:30ORICON NEWS

 全国の猫主から問い合わせが殺到している「猫部屋」がある。専用トイレにキャットステップ、爪とぎOKの壁など、猫が快適に暮らせる設備を導入するだけでなく、内装はどこまでもスタイリッシュ。手掛けるのは不動産・建設業を営むかたわら保護猫活動を行うねこ大家さん(@nyankichi_neko)。保護猫活動をする中で、猫と暮らせる家が少ないことに気づき「猫可賃貸」を始めた。現在提供する90部屋はすべて満室。全国から空室の問い合わせ、「猫リノベ」の依頼が届く。

■狭い1Rでもデッドスペースを猫仕様に、究極の共存スタイルが実現

 3年前から猫設備に特化した「猫部屋」の賃貸を始めたねこ大家さん。保護しても猫と暮らせる家がなければ受け入れる猫主さんは増えない、と保護猫活動の一環として「猫が幸せに暮らせる部屋」作りを行っている。

 自社物件を猫部屋に変身させたり、他社物件の猫部屋工事の施工、持ち家の猫リフォームなどを請け負い、InstagramやYouTube上で内覧会を開催。室内を案内するのは愛猫の“にゃん吉”だ。キャットウォークを颯爽とわたり仕上がりをチェック。キャットボックスに専用トイレの居心地も隅々まで確認する。正真正銘の“猫お墨付き”物件は、「今すぐ引っ越したい!」「なんだこれは!住みたすぎる…」と大反響だ。

~中略~

――空室だらけの賃貸マンションが「猫リノベ」して満室、さらに賃料アップも叶ったとうかがいました。「猫可賃貸」にすることで、猫主さんだけではなく大家さんにとってもメリットがあるとか。

【ねこ大家】 新築マンションがどんどん建てられているので、築古物件が普通のリノベーション工事をしてもさほど家賃UPには繋がりません。「猫可賃貸」は物件自体が少ないので、多少家賃が高くても需要があるんです。それと、猫は環境が変わることにストレスを感じるので、一度入居した飼い主さんは長く住んでくれるという利点もあります。

――ぜひ空室に悩む大家さんにはチャレンジしてほしいですね。ちなみに、Instagramで紹介されている「猫リノベ」物件は、25平米以下の1人暮らし用ワンルームが多く、さらに多頭飼育可ばかりです。その理由は?

【ねこ大家】 猫不可賃貸が多いのは、1Rや1Kなどの築古の狭い物件になります。昔は一人暮らしで猫を飼うことはあまり想定されていませんでした。ですが、昨今はおひとり様や晩婚化などもあり、一人暮らしでも猫やペットを飼っている方は多く、また、手ごろな家賃で多頭飼いできる部屋を求めている方も多くいます。これらのニーズにあわせて、1人暮らし用賃貸をメインにリノベを行っています。猫は上下運動ができれば狭くても快適に過ごせるので、狭い1Rでもデッドスペースを猫仕様にすることで、究極の共存スタイルが実現できました。

~以下、略~

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 猫部屋を充実することにより家賃のアップに成功し、さらに長期間借りてくれる借主を獲得できたというお話です。賃貸住宅の運営を好転させた例といえます。

 問題は、従来「ペット飼育不可」としていた1棟アパート・マンションでこのようなリフォームを行うと、他室の住人が退去する恐れがあることです。この場合、「転居費用を支払ってほしい」とオーナー様が請求されることがあります。

 特にペットアレルギー等のために「ペット飼育不可」の物件を選択して入居した方は、このような請求をしがちです。

 また、「ペット飼育不可」にしていた部屋を「ペット飼育」にすると、様々なトラブルが発生しがちです。代表的なトラブルは、ペットが床に粗相をして汚物が床にしみ込み、階下にある部屋の天井を汚すことです。

 このようなトラブルを防止するためには部屋の床を剥がし、防水シートを敷くなどのやや大がかりなリフォームが必要になります。

 賃貸用戸建住宅では問題にならないと思いますが、1棟ものの賃貸アパートやマンションの場合は全ての部屋が退去した際にリフォームを行うしかありません。この点は問題と思われます。

 なお、最も重要なことはオーナー様に猫飼育に関する十分な知識、および経験があるかということです。不十分な状態で「猫リノベ」を行うと、借主から思わぬクレームが発生することがあります。