広域連続強盗事件、玄関ドアを安易に開けてはダメ(続き)

※一昨日に投稿した内容の続きです。

 今回報道されている広域連続強盗事件は、金品のある場所を聞き出すために在宅時に犯行を行っています。複数の方が殺傷されていることから犯行を指示した者、実行犯のいずれも厳罰に処せられます。何人かは確実に極刑で処断されると思われます。

 以前から言われている防犯対策は、主に「空き巣」を避けるための対策です。在宅時に侵入して狼藉を働く者には通用しません。

 最近、広域強盗に対して推奨される防犯対策として報道され、またはWEBサイトに掲載されている内容の中には全く役に立たないものがあります。例えばドアチェーンや防犯カメラ、武器です。

●ドアチェーンは信用できない

 「玄関ドアを開ける際はドアチェーンを掛けて開けるのが良い」とする報道や記事があります。しかし、筆者はほとんど無意味であると考えています。

 模倣犯が出るといけないので詳細は書きませんが、ある行動の後にドアチェーンを瞬時に切断する手口があります。切断後に近くに隠れていた複数の「賊」が一斉に侵入し、その後は、犯人達のやりたい放題になります。

●防犯カメラを数多く設置しても役に立たない

 防犯カメラを数多く設置することは、犯人の姿などを記録するのには有効です。しかし、今回発生した広域強盗を「事前に」防ぐ効果はあまりないと思われます。

 その理由は、資産があると思われる家をあらかじめ調査し、指示役が強盗を行う家を指定していることにあります。防犯カメラが複数設置されている家であっても、実行犯は指示役が指定した家に侵入します。

 指示役から見た場合、実行犯は単なる「捨て駒」であり、その姿が防犯カメラに撮影されていたとしても構わないと考えているようです。

 このような犯行形態の場合、複数の防犯カメラを設置しても防犯には役立ちません。

●武器で応戦すると、正当防衛が認められない場合がある

 日本刀で侵入者に応戦した方がいるとの報道があります。観賞用として警察に届け出て保管の許可を得ていても、この日本刀で犯人を殺傷すると正当防衛とは認められないことがあります。

 強盗の被害者であるにもかかわらず処罰され、場合により財産である日本刀が没収されることがあります。

 日本刀に限らず、武器を使用して犯人を殺傷すると過剰防衛と見做され、強盗の被害者も処罰されることがあります。

★最も有効な防犯対策は、玄関ドアを安易に開けないこと

 本当に残念ですが、全ての訪問者を疑うことが必要な世の中になったのかもしれません。

 最大の防御策は玄関ドアを安易に開けないことです。玄関先から「宅配便です」と言われても、心当たりがない場合は応対しないことが身の安全に繋がります。配達員泣かせですが、仕方ないかもしれません。

 今回の事件で殺害された方の一人は、犯人が宅配便を装ったことからドアを開けたらしいとの報道があります。