風呂なし物件が若者に人気?仕方なく選択しているのだと思いますが

2024年2月10日

※2024年2月10日追記:リンク先の元記事が削除されたため、リンクを外しました。

2023年1月27日追記

 誤解を招くタイトルなのでタイトルを変更しました。元のタイトル名は「風呂なし物件が若者に人気?そんなことないでしょう」でした。「収入が激減している若者は風呂なし物件を探すしかない。だから人気がある。『人気がない』とは何事だ。」というお叱りを受けています。

 「そんなことはないでしょう」と書いた真意は、「若者は『風呂なしであること』に気に入り、意図的に風呂なし物件を選択しているのではない。収入が激減したことから仕方なく選択している。相応の収入があれば、風呂なし物件を選ぶ方はほとんどいない。」というものです。
 誤解を招く表現をしたことを陳謝させていただきます。

 テレビ朝日が、風呂なし物件に対する人気が若者に広がっていると報道しています。都内で家賃が3万2千円程度の物件があり、近隣の風呂あり物件の半額であるとのことで、若者に人気があるとのことです。

 しかし、銭湯の入浴費は結構高額です。東京都内で毎日銭湯に通う場合、月24日通うと1万2千円前後になります。夏だと「毎日入浴しないと辛い」と思われる方が大半であると思いますが、月30日入浴すると入浴の費用は月1万5千円になります。

 それに風呂なし物件の多くは6畳1間で和式トイレであるとか、トイレが他の部屋の住人と共用であることがあります。

 建物が古いことから隙間風が入りがちです。酷い物件ではシロアリだけではなくネズミが室内に出没します。家賃が安いことから雨漏り等が発生しても、オーナー様が修理を渋ることがよくあります。

 壁材が薄く、隣室の音が聞こえる物件が多いです。また、貸室の扉が木製で、防犯性能は極めて劣る仕様の物件が多いです。このため、コソ泥等の被害に遭遇する頻度は通常の賃貸物件よりも高いです。実態として、安全な生活はあまり期待できません。

 マスコミの報道の通りに風呂なし物件に対する引き合いが増えているとしても、それは収入が激減していることが理由ではないかと思います。収入がそれなりにあるにもかかわらず風呂なし物件を積極的に選択して入居する方はとても少ないのではないでしょうか。

 不動産会社に「賃貸物件を探して欲しい」と来店される方は、明らかに激減しています。賃貸物件の仲介を生業とする他の不動産会社によると「繁忙期に入っているにもかかわらず、ポータルサイトに賃貸物件を掲載しても反響が少ない。新年になると問合せが爆発的に増えるのに今年はサッパリ。どうしたんだろう。」とのことです。

 特に単身者の若者は、利便性が良好な物件に転居したくても仲介手数料、礼金、前家賃、引っ越し代、保証会社に対する保証料などを支払えるゆとりがなくなっています。コロナ禍のために飲食業や物販店の多くが倒産または廃業しました。そこまでいかなかった企業でも解雇や賃金カットを行っています。これでは現在入居している物件からよりよい立地の物件に転居したくても転居できません。

 コロナ禍の長期化が原因で、貯蓄がない若者が激増した感があります。「風呂なし物件に人気がある」のではなく、そこまで安い家賃の賃貸物件でないと入居審査を通過出来ないことから仕方なく選択しているのだと思います。 

 現在の日本はインフレ(物価高)と不景気が同時に発生するスタグフレーションに突入する寸前であると言われています。政府与党は防衛力強化および少子化対策として消費税及び所得税の増税を検討しているようですが、理由が何であれ現在の状況で増税すると、日本経済を完全に終焉させることにつながります。一体何を考えているのでしょうか?