買ってはいけない収益物件(その6、川沿いの物件) 

 収益物件の購入に際し、投資家の方が最も気にするのは利回りであると思います。なるべく購入価格を安くして高い利回りを得たいと考えるのは当然です。

 川に沿った土地は、価格が低廉なことが多いです。このため、川沿いに建築される収益物件が数多くあります。台地の上にある収益物件よりも安く購入できることが多いですが、以下の理由によりお勧めしません。

 危険が伴うエリア内の収益物件の価値は低く扱われます。この点からも注意が必要です。

1.軟弱地盤であることが多い
 川沿いの土地は沖積層に覆われていることが多いです。沖積層で覆われている土地の地盤は軟弱であり、一定以上の大きさの建物を建てる場合は杭打ちが必要です。

 問題なのは、建て替えの場合に杭が残ることがあり、新しい建物を再建築する際に支障をきたすことがあります。再建築せずに更地で売却する場合は、売却価格をかなり下げないと買い手が決まりません。

2.湿気が高いことから洗濯物を干しにくい上に、夏期は蒸し暑くなり安い
 川沿いの物件は、どうしても湿気が高くなります。そして夏期は蒸し暑くなります。梅雨時は、除湿機の利用が欠かせません。あまりにも酷い場合には入居者が短期間で退去する原因になります。

3.虫が多く飛ぶ傾向があり場所により悪臭がすることがある
 夏場に窓を開ける際には網戸を閉めることを欠かせません。掃除の際に窓を開けるだけでも蚊が侵入することがあります。川沿いの物件では虫刺されが多く発生しがちです。

 また、悪臭が発生する場所があります。これは生活排水が河川に流入しているエリアにおいてよくあります。

 いずれも、折角入居していただいている入居者が早期に退去してしまう原因になります。長期のスパンで捉えた場合、空室期間が長くなりがちで収益性が低い物件ということになります。

4.建物の傷みが早く進行することが多い
 これも湿気が高いことによる影響です。川から離れた物件と比較すると、どうしても鉄部は腐食しやすくなりますので、メンテナンスのために塗装を頻繁に実施する必要があります。

 維持コストが多くかかるので、収益面で不利になります。

5.水害の危険が生じる場所がある
 市区町村ではハザードマップを作成しています。ハザードマップに関する説明は、売買契約締結前に重要事項説明の際に行われます。ハザードマップは市区町村役場において誰でも閲覧できますし、多くはインターネットによる閲覧も可能です。

 購入前に危険な場所か否かを確認できますので、購入候補となる物件がある場合は買付証明を提出する前に調べておくべきです。