アメリカ、マイアミで集合住宅が崩落し、行方不明者が多数発生

2023年11月20日

※令和5年11月20日追記:名誉権を侵害する恐れがある記載があるので、記事の一部を修正しました。

原因不明なのですが、アメリカのマイアミで集合住宅が部分的に崩落し、多数の方が行方不明になっています。以下、読売新聞オンライン記事から引用します。

※掲載社の都合により元記事が削除され、リンクが切れることがあります。あらかじめ御了承願います。

米で12階建て集合住宅の一部崩落、11人死傷…所在不明99人
2021/06/25 07:13 

【ニューヨーク=寺口亮一】米CNNによると、米フロリダ州マイアミ近郊で24日未明、海沿いに立つ12階建て集合住宅の一部が崩落し、少なくとも1人が死亡、10人が負傷した。
 住宅に住んでいたとみられる人のうち99人の所在が確認できていないという。ただ当時、建物内に何人いたのかも分かっていない。
 崩落原因も現時点では不明だ。集合住宅は1980年代に建てられたという。
 現場からの映像では、がれきが山のように積み上がり、救助隊が捜索と救出作業を続けている。

読売新聞オンライン

この事故はCNNに大きく取り上げられています。リンクはこちら(英語です。

記事では死傷者11名、行方不明者99名とされていますが、行方不明者は百数十名以上に達するとの報道があります。

この建物は建築後40年を経過しており、点検を検討していたとのことです。CNNの英文記事によると、前日にギシギシした音が聞こえていたとのことです。

日本国内の建物でも、このような崩落が起きるか
アメリカで発生した今回の崩落事故は、大地震によるものではないことからかなり異例であると言えます。

崩落の原因は、おそらくは建物の下層階における躯体に大きな亀裂が入っているのに気づかれることなく長年放置されたことにあるのではないかと思います。

日本は地震国であることから建物の点検は諸外国よりも高頻度で行われています。点検の結果、異常が確認された場合には早めの対応をするところが大半であると思います。このため、日本の建物が建築後40~50年程度で自然に崩落することはほとんどないと思います。

大地震による崩落の可能性
ご承知の通り、日本では大地震が繰り返し発生することから建物の耐震基準はかなり厳しく規定されています。

また、2005年にいわゆる構造計算書偽造事件が発生しました。その後、多くのマンション等で問題が見つかり、取り壊しおよび補強工事が行われました。

この事件を受けて建築基準法が大きく改正され、2007年に施行されました。更に建築士法が2008年に改正され、構造設計一級建築士および設備設計一級建築士による法適合チェックが義務づけられました。

このため、2008年以降に建築された鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造の建物であれば、突然崩落する事故は、まず発生しないと考えられます。

それ以前に建築された建物の安全性が気になりますが、東京都内、北関東、東北地方南部において現時点で問題なく建っている建物は、建築後50年以内であれば崩落の危険はないと考えられます。

東京都内、北関東、東北地方南部では、2011年に発生した東日本大震災により強度の弱い建物の多くが崩落、または損壊しました。崩落や損壊を免れた建物でも、基礎部分や躯体に大きな亀裂が入ったことが確認された建物は、現在までにそのほとんどが既に取り壊されています。

東日本大震災の後に残った建物は、ダメージを受けているとはいえ相応の強度があると思われます。震災後に補修工事および耐震化工事が適切に行われ、かつ建築後50年以内である建物についてはあまり心配ないと思われます。

ただし、建築後50年以上を経過している建物の場合、コンクリートが劣化して強度が弱くなっていることが多く、雨漏りやシロアリが発生する等、朽廃の兆候が外部からもわかることがよくあります。

このような古い建物でも突然崩落する危険はほとんど無いと思いますが、点検および補修工事を高頻度で行う必要があります。

なお、建築後60年を経過した建物では、点検の結果、取り壊しを推奨されることが多いようです。