原野商法の二次トラブルが増えている

原野商法とは
1970~80年頃に多発した、原野の売買を内容とする悪徳商法です。売れる見込みがほとんどない北海道などの原野を「将来は開発されて値上がりする」「転売すると儲かる」「近くに新幹線の新駅が出来ることになったので値上がりする」などと偽り、購入させる商法です。

最近では原野商法の被害者を捜し出し、別の原野を更に売りつける輩が増えています。

「お持ちの土地の近くにレジャー施設が建設されることになったので、買い取りたい方がいます」とか「私に任せてもらえばお持ちの土地を売却し、さらに節税できる方法をお教えします」等と偽り、対策費などの名目で金銭を受け取り、より広大な原野に買い替えさせる等の商法がよく見られます。

また、業者の営業担当から「原野を買い取ってもらうためには測量が必要なので、測量費を支払って欲しい」と言われたことから測量費を支払ったものの、連絡が付かなくなるというトラブルもよくあります。

宅建協会等が開催する不動産相談会においても、原野商法に関する内容がよく相談されるとのことです。

原野の処分に困っている人の弱みにつけ込んだ悪人が跋扈する
現在の法律では不動産の所有権放棄は原則として認められません。このため固定資産税が毎年発生しますし、原野の状況により付随費用が発生することがあります。

例えば土地の法面が崩落する恐れがある場合には法面などの補修工事をしなければならないことがあります。補修を怠ったことから人が死傷した場合には、損害賠償責任が発生します。

誰も利用しない土地のために税金や維持費用を半永久的に支払わなければならないことから、原野を購入してしまった方の多くは「何とかして手放したい。」とお考えになられます。

原野商法は、この点につけ込む悪質な犯罪です。

対策
・電話勧誘があっても決して応じないこと。

これにつきると思います。職場や自宅に電話をかけ、「お会いして説明したいので、都合の良い日時を教えてください。」等と言う輩が多くいますが、「会いません。」「土地は売りません。」とハッキリ告げ、お断りすることをお勧めします。

売れない土地はタダでも売れません。「売ってあげる」などの話が電話であった場合は、最も警戒するべきです。

案内がダイレクトメールなどで送られることもありますが、郵送料およびパンフレットなどの印刷代がかかる上に郵便物が証拠として残ることから、勧誘の大半は電話で行われるようです。

・「これ以上しつこく勧誘する場合は都道府県の不動産業課などに相談する」旨を伝える。

自宅を訪問してきたので帰るように言ったが帰らなかった、深夜に数人で押しかけてきて契約を迫られた、一日に何十回も電話がかかってきた、「契約するまで帰らない」と言われた、大声で怒鳴りつけられた等の場合は相手の会社名、担当者名を聞き出した上で、都道府県の不動産課、または消費者生活センターに相談する旨を伝えるのも有効です。

これらの行為は宅地建物取引業法で禁止されています。宅地建物取引業免許の免許権者(国土交通省または都道府県)に発覚した場合は指導、または処罰の対象になります。