今後、不動産における非接触型機器が普及すると思われます

気になる事案が発生しています。読売新聞オンライン2021年1月14日記事からの引用です。
(リンクは元記事作成社の都合で切れることがあります。あらかじめ御了承願います。)

【独自】大江戸線運転士の集団感染、「盲点」だった共用洗面所の蛇口

(略)
 都営大江戸線は、新宿や六本木など東京の中心部を結ぶ路線だ。一部は23区北西部の練馬区にも延びる。2019年度は、1日に約98万人が利用した。
 運転士の感染が最初にわかったのは、昨年12月15日だ。それから次々に感染者が判明し、今月4日までに38人に上った。大江戸線に乗務する運転士の2割に当たり、感染者との濃厚接触者となった運転士ら4人も出勤できなくなった。このため大江戸線は、昨年12月27日から1月11日にかけ、運行本数を普段の7割程度に抑える運行体制となった。
 都交通局などによると、38人はいずれも江東区内の庁舎で始発などに備え、宿直していた。寝室は個室で、リネン類も毎日交換されていたが、洗面所や浴室、台所は共用で、同時に複数人が利用することもあった。
 12月の保健所の現地調査で、感染を広げたと推定されたのは洗面所の蛇口だった。手で回して水を出すタイプで、歯磨きの際に唾液が付着した手で触れるなどし、ウイルスが付着した可能性が高いと指摘された。
 これを受け、都交通局は都営地下鉄各線の運転士に、洗面所の蛇口は紙で覆って触れることや、使用後の手指消毒などを指示。手を近づけるだけで水の出るセンサー式蛇口への変更も今後、検討するという。
読売新聞オンライン2021年1月14日記事(引用)

地下鉄の乗務員が新型コロナウイルスに感染したのは、水道栓が共用であったことが原因である可能性が高いとのことです。

私たちの生活を見回してみると、紙幣や硬貨、電車のつり革、切符売場における機械のボタン、エスカレーターの手すり、銀行ATMの操作画面、公衆トイレにおける水道栓なども見ず知らずの他人が接触しており、いちいち取り上げていたらキリがありません。

不動産ではマンションのオートロックおよび非常口において、暗証番号を入力することが必要な場合があります。最新型の一部のエレベーターを除く大半のエレベーターにおいて、ボタンを押すことが必要です。当然、これらは他人が接触しています。

もはや感染を防止するためにはアルコールの入った小型スプレーを持参するしかないかもしれません。

しかし、不動産のセキュリティーに関する技術革新は進歩しており、非接触型のデバイスが多く利用され始めています。

エレベーターについてはフジテックや三菱電機が非接触型ボタンを採用した製品の販売を開始しています。

オートロックについては10年以上前から非接触型の装置が開発されており、ICカードやキーヘッドにICを組み込んだルームキーをかざすことにより扉が開く仕様のマンションがあります。ただし、キーヘッドにICを組み込んだ鍵は高額です。紛失した場合、鍵の複製にかなりの日数を要する上に多額の費用が発生します。さらに、水濡れに弱いという難点があります。今後はコストダウンと耐久性の向上が期待されます。

ルームキーは、かなり以前から非接触型ICカードが開発されています。ドアノブにカードをかざすとドアが開く仕組みであり、ホテル等で多用されています。最近では、新築の賃貸マンションで採用され始めています。

費用が発生しますが、収益用不動産にこれらの非接触型デバイスを導入することにより、入居率の改善に役立つと思われます。多くの不動産において採用されれば価格が安くなるので、導入しやすくなることが期待できます。

ICカードの機能をスマートホンに組み入れたシステムの開発も行われていると思いますが、スマートホンに装備させる場合にはスマートホン本体の製造コストが大幅に上昇します。このため、急速に普及することはないと思われます。